Long novel
□優美に舞うは悪の華と黒き羽……
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この世界には精霊と呼ばれる者達がいた……。
精霊達は心優しき者達が多く皆、人間に心を開いた。
昔はともに暮らしていた精霊と人間……だが最近では精霊と一緒に暮らしているものはいない。
何故なら数年前、人間と精霊の間に決められていた掟を破った者がいたからだ。
それを境に精霊達は凶暴になり、人間に心を開かなくなってしまった。
その為、人間達も精霊を怖がり一緒に暮らすのをやめてしまった。
精霊達の凶暴化はどんどん進んでいき今では精霊に逆らえる者が少なくなっている。
だが、精霊達もすべての人間に心を開かなくなったわけではない。
ある特定の人間……それは自分達好みの音楽を奏でてくれる人間……
精霊達は音楽を好む、何故なら音楽は自分達の力を高めてくれたり、傷を癒してくれる。
と言っても、すべての人間がその音楽を奏でられるわけではない……
精霊の好む音楽を奏でられるのはごくわずかな人間……
そして、その人間だけが凶暴化した精霊を慰められることができ、持ち霊とできる。
人々はその人間の事を精霊使いと呼んだ。
精霊使いとなれる人間はごくわずかしか存在しない。
精霊使い一族の者か、ごく希にその力をもつ一般人のどちらかしかいない。
だが精霊使いの一族であってもその力がでるものは希であった。
何代かに一人……最近はそんな感じだ。
精霊使いの力を持って生まれてもその力は小さなものであり、強大な力を持つ精霊には太刀打ち出来なかったりする。
そんな希にしか生まれてこない精霊使い……
そんな中、ある一人の精霊使いがある町を訪れた。