梟の書斎
□新しい風が吹いた日
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―ぼくが この館を譲り受けたのは つい先日の事…―
「…………ぼくで…大丈夫かな……?」
館へは、見に行った事ならあったよ。
でも遠くからだったっけ。薄暗い夜で…館の灯りが綺麗だった。
本当に大丈夫かなぁ…ぼくで。
―梟の館―
でっかい森の迷路の真ん中に建つ小さな館。
そこは代々…梟族である、ぼくたちが主を務める……
『おい、ちび。館の前につっ立って何やってるんだ?
残念だが今は入居不可。
新しい主が来るまでは入れないぞ……って早く主が来てくれないと、住んでるオレも入れないから困るんだよな。』
扉の前で悩んでいた、ぼくの後ろからこんな声がかかった。
ぼくは驚いて、顔だけ
くるりと振り向いた。