黒閃光と世界の光
□黒閃光と世界の光
第6章
前夜祭の前夜祭
最終章
一筋の光の行方
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―9月30日
教室―
「すまん!すっかり忘れてた!」
教壇の上で担任が謝っている。
担任が文化祭の用意を全て忘れていたという前代未聞の異常事態にクラスはどよめいていた。
どうやら担任はど忘れが巧いらしい。
「響次」
志穂に呼ばれて振り返ろうとする。
―――ズキ
「っ!!痛っ!」
首の辺りに激痛が走った。あの剣撃を受けて生きていたのは奇跡だった。
「そういえば……」
自分の痛みよりも、気になる事。空になった隣の席に目だけ向ける。
何故なんだろう。当時は気絶していたから解らない。響次が気絶した日から突然登校して来なくなったクラスメイト。
「……日向……」
お前は―――