黒閃光と世界の光
□黒閃光と世界の光
第5章
交錯
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‐9月15日‐
今日は晴天だった。
しかし気候はまだ夏のものなので、全く快適ではなかった。
「暑い……」
響次は机に伏していた。
それは、15日連続で武器に力を使う練習をしていたからだった。
「大丈夫〜?」
頭上から声が降ってくる。
志穂は元気そうだった。あれから竜については全く触れられていない。
「大丈夫……ですか?」
聖は暑そうではなかった。汗一つかいていない。
「実は暑いのとかに強いのか……?」
響次はだるそうに聞いた。
「……わかりません……」
そう言って、聖は帽子を直した。
最近聖は帽子を被り始めた。この学校は帽子については特に咎められる事は無い。
多分志穂に勧められたのだろう。
片手で直しているのが、妙に痛々しい。
「邪魔するぜ」
教室の扉が少し乱暴に開けられた。
聖は肩を大きく震わせて志穂の後ろに隠れるようにした。