Lupin's collections 1(long)

□Earth 〜usual morning〜
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いつもの日常が退屈だなんて、きっと誰もが思うこと。

スリルがあって、時には命をかけて。

そんな危ないけど楽しいことをやってみたい。

たった一度でいいから・・・











Earth 〜from usual morning〜












ピピピピピピッ

「ぅ・・・もう朝か・・・」


眠いのに。
起きなきゃ遅刻を免れないのは当然で、それは絶対にゴメンだと起き上がる。
だんだん冬から春へと移り変わっていて多少暖かさを感じるものの、やはりまだ寒い。
布団が恋しい時期はまだ続きそうだ。


「・・っくし!やば、キャミで寝たから風邪引いたかな?」


寝起きの一本、タバコに火をつけて煙をゆっくり肺に流しこむ。
一服しながら手帳に書き込んだ今日のスケジュールを確認する。


「あ〜、会議か今日。めんどくせぇ・・・」


もう飽きた。
今の会社に勤めて早3年。
大きな会社ではあるが仕事の内容はすでにマンネリ化していて面白くない。
不況なのにわがままだと同僚によく言われるが、もっと色んなことがしたい。
そう思っている。
あげたらきりがないけど・・・


「やだなぁ・・・」


仕事いきたくない。
ふと昨日みた《ルパン三世》の映画を思い出す。
自由に生き、社会に囚われず、ありのままに生きる男達。
かっこよくて、楽しそうで、羨ましい。
自分もあの一味に入れたらいいのにと、夢みたいなことを想像してしまう。


「さて、準備すっかな」


タバコの火をもみ消して立ち上がる。
仕事は嫌だけど、同僚に会いに行くと思えばいいんだから。
顔を洗いに洗面所へと入る。


そこが、まさか自分の願を叶えてくれる場所になるとは。


扉を閉めて蛇口をひねり、顔を洗っていた私が気づくことはなかった。










つづく

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