私的世界
□02
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泪に出会ってから数日がたった。
俺はよくて週に一度、様子を見に行っていた。
あいつはよく屋根の上にいて空を眺めていた。
一度理由を聞いてみると
「ん〜。好きだから」
体を動かすよりのんびりすりのが好きらしい。俺が名前の次に知った情報だった。
しかしもう一つ理由があるんだろう。
やはりというべきか、あの髪や目を見て皆が泪を遠ざけていた。
(俺と、一緒だ)
といってもあいつもあいつで皆の視線には素知らぬ顔。訪ねれば昼寝かひなたぼっこ。
(だからって婆ちゃん以外と話さないっていうのもな)
そんなことを思いはじめたある日、泪はぽつりと呟いた。
「ねぇ、死神って楽しい?」
「…熱でもあるのか?」
「失礼な」
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