一般向け小説置場

□たまにはこんな日を…
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翌日。
事務所で茶と菓子を楽しみながら、唐突に真宵が質問した。
「ねえ、なるほど君。御霊の樹で二人から何を伝えられたの?」
《っ!》
危うく噴き出しそうになったところで、何とか堪えた。
「な、何を急に!」
「だって、二人に聞いても答えてくれないんだもん。【本人に聞きたまえ】とか言われちゃうし…。」
「(ちゃっかり逃げた上に僕をからかってるな?)し…証言を拒否します!」
「ふーん…つまんないの」

真宵が深く追求してこなかったので、安堵した成歩堂。
しかし、本当は真宵は知っていたのだ。
御霊の樹には、まだ秘密があった。
ある程度力のある霊媒師が樹の葉に触れると、樹に残留したメッセージが読み取れるのだ。

《成歩堂、君が好きなのは誰だ?》
《み…御剣…だよ》
《アンタ…最近丸くなったな。体つきじゃねえ…ヒラヒラのボウヤを見詰める時の雰囲気だぜ》
《アンタ…好きなんだろ?ヒラヒラのボウヤが…》

なるほど君て、本当に愛され体質だよねぇ…等と思いながら、そんな彼の側に居られる自分を、幸せだと感じていた。


End


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