一般向け小説置場

□たまにはこんな日を…
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《なるほど君、わかる?》

「うわっ!?何か、直接頭に声が聞こえたよ!」
少々大袈裟に驚きながら、楽しそうに言った。
「ほ、本当に聞こえるのか?」
「…らしい、な。」
御剣は心霊関係は懐疑的だが、神ノ木は千尋とのちょっとした付き合いの中である程度知ってはいたが、さほど詳しくもなかった為新鮮な驚きがあった。
「ね?凄いでしょ!?」
幹から手を離した真宵が、二人に振り返りながら自慢気に言った。
「想いを伝えたい人と一緒に幹に手を触れさせて、そのまま伝えたい事を頭で思い浮かべるだけなんだけど…」
真宵が説明した途端、御剣は無言で成歩堂の手を幹に触れさせた。
「…」
「………なっ?!///;」
何故か成歩堂は赤面してしまった。
「返事を…成歩堂?」
何故か余裕有り気な御剣に、冷や汗を大量に流す成歩堂。
「うぐっ!こ、答えは…」
両腕を真っ直ぐに突っ張り、間に顔を隠す様にして幹に手を触れさせた。
「…!ほぅ…よく分かった。」
満足気に幹から手を離した御剣だが、成歩堂は更に顔を赤らめながら、若干機嫌を損ねてしまったらしい。
口を少し尖らせて、黙り込んでしまった。
「次は俺の番だぜ、まるほどうさんよぉ。」
神ノ木も、成歩堂の手を引いていった。
「か、神ノ木さん!?」
「…」
有無を言わせず、並んで幹に手を触れさせた。
「…」
「…えっと…どういう意味ですか?;」
御剣は、目の前の光景が面白くなかった。
「…!」
見る見る内に、成歩堂の顔が赤くなったからだ。
「神ノ木、貴様!成歩堂に何を伝えている!」
咄嗟に成歩堂の両腕を掴み、幹から引き離した。
「クッ…口に出した途端、チープ(安物)になっちまう言葉はいくらでもあるのさ…答えは胸に仕舞っておきな、ヒラヒラのボウヤ。」
「?」
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