一般向け小説置場

□風鈴と花火
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「別に悪い事じゃないよ。初めての風鈴を見て笑ったとこが、ちょっとカワイイな、と思っただけで…」
「っ…!」
ビシィッ、ビシィッ!
「イテ、イテテッ!」
だ、だから何でいちいち鞭を振るうんだよ!
「うるさい!私をからかおうなんて百年早いわ!」
別にからかった訳じゃないんだけどなぁ…何がいけなかったんだろ。
「なるほどくん!真宵さまという方がありながら、他の女性を…許せません!」
バチンッ!
「イテェッ!(は、春美ちゃんまで…ううう、今日は厄日なのか?)」
ビンタと鞭で痛む顔を摩っていたら…。
「…成歩堂?」
響きの良い声。
「あ、御剣検事!お祭りを楽しみに来たんですか!?」
真宵ちゃんの声に振り返ると、もうそれなりに暑いのに、赤いスーツを涼しい顔して着ているいつもの御剣がいた。
「いや、渡しそびれた物があったのを思い出して追い掛けたのだ。沢山の風鈴を見るならここが一番だと、私が教えたので来ているだろうと…。」
「御剣検事、もしよかったら後で一緒にお祭りに参加しませんか?トノサマングッズなんかもあって、楽しいですよ!」
「む…あまり人込みは好きではないが…そうだな、たまには息抜きに参加してみようか。」
トノサマングッズと真宵ちゃんに負けたのかな?
「成歩堂。君は今夜と明日の予定は空いているかね?」
「え?うん、空いてるけど…何で?」
「む…詳細はメールで送る。」
あれ、顔赤くなった?
「冥、ついでに検事局まで送ろうか?」
「あら、ありがとう。でも、少しこの雰囲気を楽しんでから向かうから結構よ。」
「そうか。」
「ね、あたし達も行こうよ。これから屋台で色々食べよう!」
「なるほど君、わたくしもお腹ペコペコです。」
「あ、あぁ、そうだね。じゃあ御剣、また後で。仕事片付いたら電話してくれよな。」
「うむ、承知した。」
早く早く、と袖を掴まれて急かされた。
「はいはい、慌てなくても屋台は逃げないから。」
真宵ちゃんも春美ちゃんも、同じ位のはしゃぎっぷりだな。

   *   *   *

 
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