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□逆転のシンフォニア
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逆転のシンフォニア
♯序章♯
??月??日 ??時??分
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明かりを消した部屋。
三日月の微かな明かりの中で、言い争っている人影があった。
「…そんな…貴方は私の…!!」
「くどい!!私は『そんな存在』は知らん!!」
「!!」
絶句したのは、『知らない』と切り捨てる様に言われたショックを受けたからだと思われたのだが…
「………知らないとは………言わせない…!!」
堪えきれない怒りを滲ませた声を発したと同時に、背後に隠されていたナイフが、闇に鈍く煌めいた。
「な、何をする!やめ…!!」
抵抗も空しく、ナイフは降り下ろされた。
ザクッ!
「うぐっ…!!」
ナイフを引き抜かれた人影は、傷口から溢れる血を抑えてよろめき、蓋を開けたままのピアノにぶつかった。
『ヴィガンッ♪』バタッ!
「…私を恨まないで下さい…貴方は『あの人』の報いを受けたのだから…」
被害者は、うめき声を上げた後動かなくなった。
もう一度だけ、ピアノの音が微かに響いて闇に消えた…