一般向け小説置場

□逆転、逆転、また逆転
1ページ/7ページ

逆転、逆転、また逆転

御剣が、突然事務所にやってきた。
調査の為に近くまで来たからついでに、とか言いながら、ちゃんと手土産は持って来ていたから、何かあってわざわざ来たな、と直感した。
すると、紅茶を勧めた途端、真剣な顔で
「成歩堂、実は…君に大事な話がある。」
なんて切り出して来たから、
「な、何…?」
思わず緊張感が漂った。
「その…二人だけで話がしたい。」
「な、何だ?唐突に…」
『二人だけ』…そんな言われ方されたら、変な期待しちゃうじゃないか…。
そんな恥ずかしい思考をごまかす為に、わざと茶化した。
「また海外研修に行くから、お土産買う為に好みを聞きに来たのか?前回免税店で2時間悩んだ揚句、結局チョコレートだったらしいじゃないか。いくら当たりハズレが無いからって…」
「その様なアレではない。土産ごときでこんなにシリアスになる訳があるまい。期待に沿えなくて申し訳無いが、生憎私はそこまで暇ではない。」
うわ、美形が台なしな眉間のタテジワ…でも、こんな表情豊かな御剣って、ちょっと意外な一面でイイかも…あぁ、乙女思考(?)だなぁ…。
「…違うなら違うって、一言で済むのに…で、用件は?」
「む…いや、ここでは…」
…何だか、今日の御剣…ちょっとキョドってるからカワイイかも、なんて思ったりして。
しかし…これでは埒があかない…ここは僕が折れた方が早いか。
「…まぁいいけど。何処で何時に?」
「君の手が空いた時に連絡してくれれば良い。」
な、何だかそわそわしてないか?
「…遅くなっても構わないのか?」
「ああ…」
…何だか…約束出来て嬉しそうに見えるのは気のせい?

   *   *   *
 
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ