過去Web拍手

□十代目Web拍手
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毎年毎年…この時期が恨めしい。
何が恨めしいって…理由は偏に、資料を借りに訪ねた際に見た、執務室の片隅を埋め尽くさんばかりの、『義理』とは名ばかりの御剣宛てのチョコレート。
毎年この時期、御剣は膨大な量のチョコをプレゼントされるらしい。
…まぁ、無理も無いか。
あのルックスだし、クールだし、金持ちだし、天才だし…モテる要素てんこ盛りだ。
しかし、毎年あんな量の派手なチョコを見てたら、僕からあげても絶対インパクトない…いや、食べる気も起きないんじゃないか?
だから、僕からのプレゼントはチョコじゃなくて、真紅の薔薇と手料理にするんだ。
ある意味、月並みかもしれないけどさ…。

御剣が(きっと嬉しそうに)びっくりする所を想像した途端、つい面白くなっていそいそと電話したりして…。
コールしたら、意外とすぐに繋がった。
『…私だ…』
「あ、御剣?今、忙しい?」
クールな声の時は、大抵忙しい時だ。
《む、大丈夫だ…いや…。》
「あ…ごめん、都合悪かった?」
やっぱり忙しいのか…さては、僕に合わせようとして無理しようとしたな?

《裁判中でも受け付けるつもりだ…愛しい君からの電話なのだからな。》

は…反則だぞ、それ!
あんなに響きの良い声で、そんな甘い台詞を堂々と…!
「う…よ、よくそんなキザな台詞を…恥ずかしい奴め…」
《ふっ…それで、何かあったのかね?》
「あぅ…いや…その…」
熱い…どうせ見えないとわかっていても、赤面しているだろうこの顔をどうにかしたい。
《…どうした?》
あ、いけない、不安にさせちゃったかな?
「し…仕事終わったら、迎えに…来てくれないかなぁ、と…渡したい物もあるし…ほら、今日はその…アレだから…と、泊まりがけでも、って…ダメ、か…?」
…うわあ、『泊まりがけでも良い』だなんて恥ずかしい!
これじゃまるで『今夜は僕がチョコレートの代・わ・りv』とか言ってるみたいじゃないか!
《良いとも。私も君に会いたい…》
…よ、よかった…普通の反応だ…。
「ありがとう。じゃあ…待ってるよ。」
今夜は、御剣の好物作ってびっくりさせてやろうっと…。

End

*また勢いで書きましt(←殴)
一般向けの『チョコレートより甘やかな…』と連動しております。
しかし…自分で書いておきながら、
《うわぁ…ウチのなるなる、つくづく恋する乙女全開だ…》
という感想しか出ませんでした(苦笑)
多分、食後に『デザートのチョコレート代わり』を果たす羽目に…(笑)
あぁ…憐れなり、飛んで火に入る生け贄子羊乙女なる…(泣)

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