貢ぎ物

□好きな人
1ページ/3ページ

「なあ御剣、恋愛心理テストやろう?」
成歩堂から、突然の提案。
「な、何だと?」
驚いたのも無理は無い。
ここは居酒屋ではなく、御剣のマンションから程近い、バーのカウンターだからだ。
「ただのテストだよ。面白いからさ、やろう!」
男女の恋人同士ならともかく、自分達は所謂【特殊】な部類に入るのだ。
そんな自分達が、人目を気にせず恋愛心理テスト等…
「(ここでやるのは)気が進まん。」
「わかったよ…(御剣のマンションでなら良いよね?)」
半分内緒話で片を付けると、御剣は支払いを済ませ、成歩堂と共に店を出た。
「いつも悪いな、支払い頼んで…。」
「気にするな、君と呑むのは嫌ではないからな。」
(素直に【楽しいから】とか言って欲しいな…)
ほろ酔いの成歩堂は、まだそれを言う程思考回路が鈍ってはいなかった。

「じゃあ、早速始めるよ。」
テーブルにメモ用紙とペンを置き、少しはしゃぎながら成歩堂が言った。
「君は子供か?何をそんなにはしゃいでいる?」
「いいだろ?御剣と居るのが楽しいんだから。」
子供扱いに少々気を悪くしかけたが、告げた後の御剣の顔がほんの少しだけ色付いたので、良しとした。
「その様なアレは困るのだが…」
「どの様なソレなんだよ;」
思わずツッコミを入れてしまうのは、成歩堂の性分だ。
「さてと、じゃあ説明するよ?今からこのメモ用紙に、【自分がすぐに思い付く、好きな物や人】を挙げていって。」
「ふむ…わかった。」
「制限時間なし。スタート!」

《カリカリカリカリカリ…》

ペンを走らせる音が静かに響いた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ