ぷよお題
□それは放送禁止です
1ページ/1ページ
それはプリンプ魔導学校にて、昼食中の出来事だった。
「シグちゃん、一緒にご飯食べようよ!」
「ちょっ、僕が先に誘おうと思ってたのにっ…。」
「うん。クルークも一緒に食べよ?」
「も、もちろんさっ!」
昼食はいつもこの三人で机を囲んで集まって食べる。この学校は昼食時、机を移動することができるので生徒達から大変好評なのだ。
そしてシグが給食のシチューをつついていた最中、お昼の放送が入った。昼食をとる時間帯になるといつも放送がかかる。
放送部にリクエストされた今時の音楽やら歌やら、何かについての質問や疑問など広い範囲にわたって生徒達にお答えするのだ。
しかし…今日の放送は何やら様子がおかしい…。
音楽が流れるでもなく、マイクのスイッチが入ったままで、ごそごそと雑音が聞こえてくる。そんな状態が10分ほど続き、ほとんどの生徒があまり気にかけなくなった頃…
『みなさん、こんにちは。実は本日、素敵なゲストをお迎えしております。隣町のエリート学校に在籍している彗星の魔導士こと、レムレスさんです!』
『やっほー!こんにちは!』
…ぶばっ…!!
「…二人ともきたない…。」
放送部が招いた予想外過ぎる人物の紹介に目を見開いて飲んでいたお茶を勢いよく噴き出すまぐろとクルーク。
二人はシグを挟み、向かい合わせに席に座っていたのでお互いの顔にそれぞれ吐き出してしまった茶を浴びる事になった。
稀に見る珍妙な光景にシグは素直に言葉を述べる。
教室内が一瞬、静まり返り、そして今度は生徒達が黄色い声をあげて騒ぎ出した。
シグは意味がわからずに騒いでいる生徒をキョロキョロと見やる。クルークとまぐろはとりあえず、持っていたハンカチで茶に濡れた顔を拭いた。
『…さて、早速レムレスさんに質問なんですが。わざわざこのプリンプ魔導学校へいらして頂いた理由は何なのでしょうか?』
『そうだね。それはこの学校に僕の可愛い婚約者がいるから、かな…。』
「…まぐろ、もうこれ以上レムレスに喋らせるのはまずいよ。妨害しに行こう!」
「ラジャー!」
「二人どこ行くの?トイレ?」
「そうっ。よくわかったねシグちゃん!すぐ帰ってくるからね!」
「うん。すぐだからね。」
『こ、婚約者ですかっ!!』
『そうともさ!じゃあヒントを出してあげる。空色の髪の子だよ、今日のパンツの柄は…えっ、ちょっと…あ、あぁん!!』
…その後、レムレスの叫び声や爆発音が響きそれからスピーカーがブツリと音をたてて切れた。
(それは放送禁止です!)