□幸せの公式
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クローバーの国。
ここ引っ越して来てから随分と時間もたった。少し前までは地形変動が頻繁に起こっていたが、今では平静な生活が送れるようになってきた。
頭上には燦々と輝く暖かい太陽。春を思わせる爽やかな風が、何処からかほんのりと薔薇の香りを届けてくる。

「僕、お姉さんとひなたぼっこするの大好き」

「僕もだよ。お姉さん、大好き」

蒼い芝生の上に寝転んで、座っている私に両側からがっちりと腕をまわす双子の子供。
ディーとダムは帽子屋屋敷の門番として勤務する私の恋人でもある。

「うん。ありがとう。私も好きよ」

両の手で頭を優しく撫でてやると気持ちよさそうに目を細め、顔をすりつける。
それはまるで、愛しのダイナのようで…。
ちまたでは「ブラッディ・ツインズ」なんて大層な名前で呼ばれているけれども素はただの子供なのだ。
確かにこの子達は強い。幾度か戦闘シーンを見てきたが、小さな体を生かした俊敏な動きはまさに敵なしと言ったところ。
また、今は小柄な男の子だがどういう訳か大人になることもできる。

中身は変わらず子供であるが、見てくれだけでも変われば十分な力を得る。

そんな強くて、可愛い自慢の恋人。

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