□揺らぐ紫煙の先に
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中央(ここ)に来て、そう長い時間滞在せずに東へ帰ることとなった。退役を人事部に告げ、退院予定日だった今日を正式に職を離れる日とするよう話をつけていた。

本当に怒涛のように過ぎた日々を思い返し、ハボックは一日一本だけ許された煙草に火をつける。窓の方に顔を向ければ、いつもと変わらないブロック壁と木、そして窓に映った自分がいた。それは紫煙のせいか、いずれも微かにフィルターをかけたような白くぼんやりとした形を作りそこに存在した。


そしてこの日、使い慣れた病室を訪れたのはロイだった。





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