□媚薬
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「よっ!!ロイ!!無事か〜??」

ヒューズはロイの寝室のドアを勢いよく開けた。
そしてヒューズの目に映ったのは、ベッドに横たわるロイの不機嫌そうな顔だった。

「…何しに来た??」

ヒューズは、そのむくれた顔を見て快活に笑った。

「本当に体調が悪かったんだな!!」

ヒューズがそこらへんにあった椅子を拝借し、ドカリと座ると、「うるさい。頭に響く…」と、ロイの弱々しい声がした。

「いやあ。こっちの方に用事があって、ついでに司令部を覗いてみたんだが、リザちゃんがロイは休みって言うから」

と、ヒューズがここまで言うとロイは小さく舌打ちをして「余計なことを…」と低く呟いた。

「で、飯食ってなさそうだから、下のキッチン借りておかゆ作った。」

ほれ。といいながら笑う親友に、ロイはまた舌打ちをし、ため息をついた。

「また勝手に…。いらん。食べたくない。」

先ほどより更に深く眉間に皺を作ったかと思うと、今度は寝返りをうって向こうを向き、大きなくしゃみをした。

「ったく。食わねえと薬も飲めんだろ。それに食えば暖まる」

とヒューズは、ロイの身体を起こし、額に手をやった。手からはかなりの熱を感じた。そして近づいて気づく、熱っぽい息。目もうっすらと潤んでいる。

「こりゃ…、お前さんが思ってるほど軽くないみたいだな」

ヒューズは苦笑いをすると、おかゆをすくってロイの口に運ぶ。
最初は顔をしかめたロイも、運ばれたものを素直に口に含む。だが3回も口に運んだところで「もういい」と、布団に潜り込もうとした。

「ちょ…、せめて薬飲んでからにしろよ」

ヒューズが水の入ったグラスと薬を手渡そうとしたが、ロイは面倒くさいと言わんばかりの顔をした。
その顔にヒューズは小さくため息をついた後、少し考えてから「…じっとしてろ」と告げると、グラスの水と薬を自らの口に入れ、そしてロイに口付けた。

「っ!!…んっ…はぁっ」

苦い液体が口内に流し込まれる。ロイは不意に与えられた苦みと息苦しさから逃れようとヒューズに抵抗するが、熱に犯された身体にそんな力はなかった。

「…ん…ふあっ…」

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