□幸せの公式
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そんな私にはもったいないほど素敵な彼ら。
ただ最近この子たちを見てよく思うのは、この子たちのために私が何か出来ているのか、ということ。

彼らはいつも私を笑顔にさせてくれる。私は彼らを笑顔に出来ているのか、と。

誕生日が分かれば良い機会ができるのだが、生憎ここは時間のない世界である。もちろん季節のイベントもあるはずがない。
だから普通にプレゼントを渡すことも考えたが、何をあげれば良いのやら…。

値段ではない。とは思うが安いもので終わらせたくはない。
服などを考えてみたが個人のセンスがあるし、何よりこの子たちは体のサイズが桁違いに変わる。
食べ物なんていう形の残らないものも、何だか悲しい。
武器をあげれば喜ぶだろうが、それを買うなど論外だ。
だが実用的なものがいいとは思う。彼らは門番で、武器は必需品ではある。






「――さんっ!!お姉さんってば!!」

呼ばれて、はっと我にかえる。

「あ、ごめんなさい。何?」

「…最近、お姉さん変だよ。どうしたのさ」

「…そうだよね。お姉さん、誰かに嫌なことされてるの?」

眉間に皺を寄せ、双子の顔がずいっと詰め寄る。
怒られてるのに、この顔の距離にドキドキする私は馬鹿みたいに二人に溺れているのだ。きっと。

「何でもないわ。ちょっと上の空だっただけだから。」

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