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↓御礼文(名前変換無/学パロ)
暑い。暑い。
ならば、何故太陽の下へと躍り出るのだろうか?
クーラーの効いた部屋で涼んでいればいいのに。
パラソル下で寝転がる俺――悦喜陽太には理解の出来ない行動である。
まあ、別に俺は暑いわけじゃないから、ここにいるんだけど。
「海だからって、はしゃぎすぎててウザイわね」
あ、勿論女の子は可愛らしいけれど。
そう付け足しながら隣に座ったのは、後輩であり冬輝さん宅の料理担当者でもある少女。
海だというのに、長袖シャツに学校指定のプリーツスカートといった姿だ。
ハイソックスにプラスでスニーカーを履いている辺り、海に入る気はさらさら無いらしかった。
シャツ以外はいつも通りに真っ黒である。
何とも熱の集まりそうな格好。
だぼだぼのパーカーに水着の俺(ついでに裸足)とは、随分な違いだ。
「臨海学校とか、だるい」
「じゃあ寝ておけば? お好きなように」
「でも冬輝さんがうるさいしなー。それはそれで面倒くさい」
「そう」
簡潔に返して、彼女は前を見据える。
身体を起こして目線を折ってみれば…じゃなくて追ってみれば、そこには冬輝さんと同じクラスの男の先輩と、彼女と仲の良い後輩がいた。
随分と、仲が良さそうである。
「えーと、ラビと弦だったっけ」
「違うわ、馬鹿兎と弦よ」
どうやら俺の記憶違いだったらしい。
訂正された名前を、頭の中で上書きする。
目線を彼女の方へ移せば、彼女は俺を見て愉快そうに笑っていた。
何故だかは知らないし、どうでもいい。
「二人とも、どうしたの?」
不意に、後ろから声をかけられる。
聞き慣れた声だったから、別に振り向かなくても誰だかわかったけど、だからこそ無視するわけにはいかない。
頭だけを回転させて、後ろを振り向いた。
「「リナリー」」
綺麗なハーモニーを奏でた名前の持ち主は、少しだけ笑った。
俺の隣にいる後輩は後輩で、不快そうな顔をしているけども。
「あら、リナリーは水着じゃないのね」
「兄さんがうるさいから。黎紅は着ないの?」
「着る必要性が無いから、持ってもいないもの」
絶対似合うのに、甘い微笑みを零すリナリーに反して、黎紅は苦い微笑みを浮かべていた。
今ここは黒髪率が100%である。
すげぇや。
とか、すぐに思考が迷子。
「陽太先輩は泳がないんですか?」
「影の外とか眩しい」
我ながら、理由にもならない理由である。
でも、リナリーは妙に納得した様子で、「陽太先輩らしいですね」なんて笑った。
「また後で」と兄の元へと駆け出した彼女の背中を視線だけで追う。
なんとも笑顔の多い後輩だ。
冬輝さんもそうだけどまあ、あの人はあの人でまた別だか――「ぶべっ」…ら?
急に飛んできた塩水がしみて、目を細めた。
キラキラ。
気がつけばパラソルも倒れていて、顔に掛かった水が太陽の光を反射している。
「何をしているんだい、陽太君に黎紅君? せっかくの臨海学校だぞ?」
言いながら、煌びやかな太陽を背にしょって登場したのは、赤髪の水着美女。
「…冬輝さん」
「…冬輝先輩」
――そう、我らが冬輝さんである。
「さあ、一緒に楽しもうではないか!」
何ともまあ素敵な笑顔を輝かせ、彼女は俺達に手をさしのべる。
どうしたものかと、手を差し伸べられたもう一方の人物へと視線をやってみれば、女好きな後輩には珍しく、その差し伸べられた手を忌まわしそうに見つめていた。
けれど、結局俺達に選択肢などないのだ。
遠いあの日、差し伸べられたあの“あたたかいて”。
それは、どれほどに嬉しいモノだっただろうか。
――俺が先に手を取り、逆の手を黎紅が掴んで、二人一緒に立ち上がる。
「さあ、行くぞ!」
その優しい笑顔が俺達に向けられるのならば、それでいい。
その美しい笑顔が俺達で守られるのならば、それでいい。
俺達はそれぞれ、呆れたような、それでいて嬉しくて堪らないと主張するような、そんな笑みを零して、彼女の背中を追いかけた。
それはまるで冬の太陽でした
今更八月拍手更新
遅くなりすぎましたすみません
本当はアレンと神田も入れようかとも思いましたが、まとまりそうにないのでやめました
一応、学パロ設定の追加的要素
・陽太と黎紅はそれなりによくつるむ
・二人とも冬輝さん大好き
・二人ともトリップ主(別々にトリップ)
→冬輝に拾われました
・弦と冬輝の関係は希薄
ってところですかね?
まあ、適当にそんな感じ
手を掴んだ順番=拾われた順番ですね
元々長編を学パロで書く予定だったので、何か妙に設定があります
土台のバランス悪いですが←
*すみません、勘違い発見
こちらをお読み下さい
2011/10/29〜