捧げもの
□僕にも頂戴
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「マスター」
「Σわわっ!?」
のろのろとソファーに向かって歩いていたら後ろからいきなり誰かに抱き着かれた。
「あー…レン君?いきなり抱き着いて来てどうしたんですか?この甘えん坊さんめ」
「べ、別に甘えた訳じゃないから。あの…お願いがあるんだけど…」
「お願い?よくわかんないけど言ってみなさい!」
レンがお願いなんて珍しいなぁ、と思う半面出来ることならしてあげたいとは思った。
「その、これが欲しいんだ」
そう言うとレンは私にチラシを渡してある所を指差した。
「?何これ…」
「マスター知らないの?ばなおの抱き枕だよ」
なんか光出てキラキラ輝いてるし…しかも5980円とか高いよこのやろー。約6000円だよコレ…など無駄な事が次々と頭の中で浮かび上がっていった。
「それで俺、これを買ってほしいんだけど…駄目?」
「うん、いいよって言いたいけど高すぎるから無理。」
「何でだよ!?カイト兄達には高いものばっか買ってあげて俺には買ってくれないとか…マスターなんか嫌いだ…」
そっぽを向いてしまったレン。僅かだか肩が震えているので泣いてしまったのだろうか。だとしたら悪い事をしたかもしれない。