あまい、まいにち。
□The shell is already unnecessary
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「律子、ここにいたのか…」
律子リツ。
我が、氷室学級の生徒。
常に学年トップの成績。
ずっとお気に入りの生徒だった。
気が付くと、いつも彼女を目で追っていた。
下校する生徒達を見ると、彼女の姿を必死で探した。
そして今、下校する彼女を捕まえ
昨夜決心した事を、打ち明けようとしている。
「次週日曜だが、予定は空いているか?」
「はい、空いてます」
彼女は即答した。
目をキラキラさせて。
高鳴る鼓動を悟られないよう、ゆっくりと喋らなければ。
「…ドライブをしようと思う」
「えぇと、デートって事ですか?」
「…社会見学だ」
「社会見学…」
彼女の目が、一瞬 曇る。
我ながら、社会見学などと 馬鹿馬鹿しい文句が出てきたものだ。
しかし、彼女は承諾した。
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