オリジナルノベル

□神様、お願い今だけは。
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「八組の藤堂、またふったんだって。」
「え?」
「まただぜ?誰とも付き合ってない、注目ばっか集めやがって……」
「ははっ……」
「だってそー思わねー?おれだって彼女くらい欲しいっての!!」
「あー、しょうがないよ。」
完璧なんだ、藤堂は。

藤堂真緒。
首席で入学した天才。テストは常に一位。弓道部キャプテン。今は三年。
出来ないことはない。と言わんばかりに、藤堂は完璧過ぎるやつだ。

そんなやつに、敵うわけがない。

「ナオは不満じゃねぇの?」
「俺は、あんまり気にしないからさ」
今はまだ、興味ないし。
「あーあそーですかっと。んじゃおれ行くわ!」
「今から部活?」
「そ!バスケ部副キャプテンだし!」
嬉しそうに笑いながら、暁は走っていった。


「俺も帰るか……」
一人、誰もいない空間で呟けば、直ぐに溶けてしまった。






「ナオー聞いてくれよ……」
「今日はなに…?」
「美雪ちゃんがさぁ!藤堂に告ってふられたんだってさ!最悪じゃね?!藤堂何様だよ?!」
「……バカ?」
「は?」
「じゃあ傷心の美雪に会いに行ってこれば?」
「なんだよなんだよ…もっとさー」
ブツブツ言いながらも、美雪に会いに行くらしい。美雪は幼馴染みで、そんな弱いやつじゃないって知ってるから。
だから美雪は大丈夫だろ…

にしても…次は古典かよ…サボろ…
暁もサボりだろーし。

俺はそのまま図書室へ向かうことにした。
この選択が、俺を陥れるとも知らず。
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