AMNOS story

□キザなオトコ
1ページ/2ページ







『オトコなんてさぁ!!』




「はいはい、わかったわかった」



『潤はなぁんにもわかってないよぉー』


と言いながらまた目の前のビールを一気に流し込む

端からみたらかわいそうな女なんだろうな、あたしは。


でもそのあたしに付き合ってる潤はもっとかわいそうか





「お前飲みすぎ。」

『あ、あたしのお酒!!』


まだ半分以上残ってたのに取り上げられた


『返してよ!!』

「だーめ。一応お前もオンナノコなんだから。てゆーか毎回お前を介抱するこっちの身になれ」


『……潤にオンナノコ扱いされたって意味ないもん』



あたしは絶賛失恋中で、


告白も出来ないうちに彼に好きな人がいると知ってしまった


てか、相談された



『あーっ!!素敵な恋がしたい!!』

「お前恋ならしてるじゃん」


ビールを一口飲みながらチラッとこっちを見て潤が言った


あたしのお酒…


『素敵な!!だよ!!てゆーかこの恋はもう終わったも同然だし…』



潤にお酒を奪われてしまったので代わりに近くにあったお茶を一気飲みする



「……まだ終わってねぇじゃん。告白もしてないんだろ??」


『して…ないけどさぁ』



でもさぁ…

あたしに恋の相談するってことはあたしのことを全く異性として見てないってことでしょ


そんなのフラれるってわかってる上に告白したらその立ち位置でさえもいられなくなるんだよ??



なら告白しないでこのままでいたいじゃん……





『わからず屋!!』


「はっ!?いきなりなんだよ!!」


『わからず屋だからわからず屋って言ったの!!潤は女心がわかってないっ』


潤はため息をついてまた一口ビールを飲んだ


「……女心がわかってたらこんな苦労してねぇよ」


ボソッとため息混じりに潤が言った



苦労って、潤も片想いの誰かがいるんだろうか??

そんな話し一回も聞いたことなかったな…




でも聞き返してる余裕もなくて。


いきなり眠気が襲ってきたあたしは机に突っ伏してしまった





たぶんしばらく経って誰かがあたしの頭をなでてくれてるので目が覚めた

気持ちよかったのでそのままにしてると



「ほんと勝手に寝るな、こいつは。」


潤が何か呟いてる

ひとりごと好きだなぁ……


そんなこと思ってたのもつかの間で、一気に眠気が吹き飛ぶことをいわれた





「…俺はお前のことずっと好きだからな」





『なっ…は?い?』


突っ伏してた頭をおもいっきり起こすと潤はちょっとびっくりしたあと、ニヤッと笑って


「なんだ、起きてたの??」

と言った



『え、、うん。』


きっと真っ赤であろうあたしの顔をみてはクスクスと笑っている


てか待って。

あたし頭の中整理出来てない


潤、あたしに………

"好き"って言った??




潤の"好き"って言葉が頭の中でぐるぐる回ってる


え、嘘??冗談??




「なぁーに頭抱えてんだよ」


いつものように髪の毛をわしゃわしゃなでられた

そんないつもやられてることなのに何故かドキドキした



『いっいまのって…』


ん?あぁーと自分の後ろ髪を照れくさそうにかきながら


「……本心だけど」


『う、嘘。』


「嘘でも冗談でもねーよ」



真面目な顔して潤が見つめてきた



こうやって見つめられるとドキドキしてしまう

うー、、こいつもイケメンなんだった…



「俺はずっとお前が好きだから。だからお前の恋が終わったって言うならもう遠慮なんかしねぇよ??」

『え、遠慮って??』


こーゆーことと言ってニヤッと笑ったと思ったらもう唇が重なっていた




唇が離れても固まっていると潤はそっぽを向いてしまったけど、



髪の間から見える潤の耳も赤く染まっていた








こんなことされたら惚れちゃうじゃんこのキザ野郎め



素敵な恋をするのも時間の問題のようです。




次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ