text〜古キョン

□光と闇【完結】
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ずっと思っていた。
あいつの闇を取り払う事は出来ないものかと…



ベッドの上で、時々シャミセンの後ろ姿を見ながら、大して興味のないニュース番組を見る。
世の中はいろいろな事件が勃発し、世界規模では核兵器やら国同士の争い、いつ平和が脅かされるかわからないと言う物騒な報道が流れる。
今こうしてのんびりと就寝までの一時を過ごしている俺には、イマイチ現実味に欠ける話なんだが、世界の崩壊の可能性を口にする恋人の事を考えると、そうでもないのかもな…なんて思えた。
当たり前のような平和な日々がいつまでも続く保証はないのか、と口に出して呟いたら、急に古泉の声が聞きたくなった。

電話でもしてみようか。
この時間ならまだ起きてるだろ。
映画撮影で疲れた体を横たえたまま、ぼんやりと古泉の事を考えていたら、突然妹が俺を呼んだ。

「キョンくん、おともだち」

お友達?
これで古泉だったら、お前は俺の心が読める超能力者だぜ。

「やぁ…」

古泉だった。
確かにお前は超能力者だ。
閉鎖空間で赤い玉になって神人を倒す姿を見て、普通の人間とは言えんだろう。
しかし、こんな絶妙なタイミングで目の前に現れたら、閉鎖空間以外でもいろんな力が使えるんじゃないかと思うだろ?

「お前、やっぱ超能力者だな」
「はい?」

俺は、話があると言った古泉と共に外へ出た。
風が少し冷たくて、Tシャツ一枚じゃ、少し肌寒さを感じた
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