text〜古キョン

□feeling【完結】
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時間が足りない…
1日が36時間ぐらいあればいいのに…。
そんな事を思った事はありませんか?
楽しい時間を過ごすと、こんな日が毎日続けばいいとか。
何か終わらせたくないと思う事もあるでしょう。

去年の夏の経験…
そう、涼宮さんが巻き起こしたエンドレスサマーが解りやすい例でしょうか。
なぜ僕がこんな事を言い始めたかと言うと、そうですね…
今、僕達はエンドレスサマーの、真っ只中に居るからです。
去年とは違い早くに気付いた僕は、現在、有効活用していると言うわけですよ。

「今年はラッキーですね」
「何が?」
「こんな姿のあなたを何度も見られる」

夏限定の愛する人の浴衣姿。
綺麗に合わせられた襟元を乱してキスを落とすと、ピクりと体が跳ねる。
そんな姿を僕は目に焼き付ける。
まぁ、リセットされてしまえば覚えてないんでしょうが。
繰り返される度に、僕は何度もあなたを抱きたいと思う。
鍵に手を出すなんて許されない事も、エンドレスサマー限定で許される。
いつか脱出の糸口が見つかった際は、こんな行為出来なくなるんでしょうが。

「お前、何考えてんだ?」
「いえ…愛してます」

*  *  *

今年はわりと部室での活動が多い夏休み。
いつもと変わらない風景を見ながら部室棟を歩く。
ドアの前でノックをしようと立ち止まると、中から声がする。
いつもなら気にせずノックをする僕は、唯一の男子部員である彼の発した言葉に立ち尽くしてしまった。
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