新詩

□虚
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痛い、としか分からなかった

もやもやが胸の奥でざわざわして

じくじくと腐ってる

そんな感じ、多分


吐き出せない感情が死んで逝く

積もった灰が呼吸を阻む

体は縛られて身動き出来ない

進めないし、戻れない


例えるなら

中身のない林檎みたい

見た目は綺麗に光ってても

中身は空洞すっからかん

取り繕った全ては

中身を知られたら終わる


笑ってるけどつまらない

話してるけど興味ない

遊んでるけど心から楽しめない

……全部かりそめ、嘘虚像



何が痛いか分からないけど

痛みさえも慣れてしまったから

限界まで耐えて壊れるだけ

そう分かってて……何も出来ない


苦しいのに笑わなきゃ

悲しいのに、笑わなきゃ

ああ……辛い

なんでだろうね、それでも

辛いからって泣けない

痛いからって逃げれない

馬鹿な自尊心守るため

虚栄をはって、見栄きって

最後は自分に降り懸かる

皆同じだろう?
本当の自分なんてないんだよ――――






 

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