新詩

□疑問
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どうして
生きてるんだろう

どうして
飛べないんだろう

どうして
嘘を吐くんだろう

どうして、どうして?


たくさんの疑問が
いつか、当たり前になる

仕方ない
前に倣えと言い聞かされ

常識という檻の中で
逸脱する事を許されない

誰かが作った道を
列車のように進むだけ



どうして
疑問を持つのはいけないの?

どうして
つまらないって言わないの?

どうして
笑いたくないのに笑うの?


どうして、どうして……


この疑問に
皆、曖昧に笑って答えない

答える術を
持っていないから

どうして、と問われても
それが普通だから、としか言えない

決められた
刷り込まれた定義

それを疑問に思うのは
まだ、何にも染まらぬから

羨ましいようで
未熟なのだと笑う


どうして……と
いつか、そう思わなくなる

ただ疑問も持たず
毎日を過ごすようになる

そうやって
大人になるのだと

つまらない毎日で
些細な疑問は要らない

必要なのは
平和な日常だから


どうして……?
疑問は平和を乱すの?

いつか分かる
大人は自嘲気味に笑うだけ

答えはきっと
いつか、分かるのだろう

その日には
この疑問が愚かだと
自分を嘲るのだろうか――――





 

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