新詩

□消
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パチンと弾けた有象無象
誰かが笑ったら消えた
赤い林檎は誰のモノ?

ガブリとかじれば魑魅魍魎
湧いて騒いだ空間の
涙は紅、瞳が染まった?

ブスリと刺せば阿鼻叫喚
逃げたら林檎が転がった
追い掛けたのは一体誰?

ポチャンと堕ちて不協和音
青に混じった紅涙
浮かんだのは赤い林檎?

ああ、見つけた
消えた向こうがひっくり返る
哀れな林檎が真っ逆さま
かかったのは極彩色の蝶

誰かが泣いたら触れた
僅かな朱に染まる林檎
赤から朱へ
もうなにもかもを一色に

消えた消えた
有象無象も魑魅魍魎も
無音だ無音
阿鼻叫喚も不協和音も

それ見たか?
これが平等、平和の証
不平等とは?
消えた無音に何もない

世界は染まる
朱色に染まる
カラカラ笑え
世界が笑った



 

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