新詩
□関係性
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好きだと囁いて
君を抱いてみても
虚しさだけがこの手に残る
その瞳に映るのも
君の心を縛るのも
僕じゃないと知っている
届かない想いを
お互いにどうすることも出来ず
足掻く無意味さも
悔しいけど身にしみた
伝わらない気持ちは
甘美な痛みとなるばかり
だからきっと
心交差せぬこの行為を
無駄なことだと
誰かが言った気がする
それでも
心の隙間を埋めるには
こうするしか方法を知らない
大切なのに
傷付けるだけ
君の意思を尊重し抱いても
君は傷付くだけなのに
……僕には
そうする他ない
愛してる
その言葉は飲み込もう
曖昧な関係さえ
壊す訳にはいかないから
二人の間に気持ちは要らない
傷を舐め合い
ただ、生きていく
それが僕達の生き方だから――――