新詩

□関係性
1ページ/1ページ





好きだと囁いて

君を抱いてみても

虚しさだけがこの手に残る

その瞳に映るのも

君の心を縛るのも

僕じゃないと知っている


届かない想いを

お互いにどうすることも出来ず

足掻く無意味さも

悔しいけど身にしみた

伝わらない気持ちは

甘美な痛みとなるばかり


だからきっと

心交差せぬこの行為を

無駄なことだと

誰かが言った気がする

それでも

心の隙間を埋めるには

こうするしか方法を知らない


大切なのに

傷付けるだけ

君の意思を尊重し抱いても

君は傷付くだけなのに

……僕には

そうする他ない


愛してる

その言葉は飲み込もう

曖昧な関係さえ

壊す訳にはいかないから

二人の間に気持ちは要らない

傷を舐め合い

ただ、生きていく

それが僕達の生き方だから――――




 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ