新しい風(改)

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その後解散を言い渡され、私達高校生は朝練を開始。んで中学生選抜達は施設を見に行くとか。まぁ道に迷われても困るもんね。
だけど一度案内しただけで分かるのかなぁ。だって此処の施設って未だに道に迷う人がいるぐらい広いから、一度案内されただけじゃ確実に覚えれないでしょ。…まぁ迷ってたら案内したらいいか。私も迷ってる子を見放すような鬼じゃないし。

トレーナーの方々に連れて行かれる中学生選抜達を見てそう思いつつ、直幸と一緒にテニスコートに戻ろうと踵を返した。


「あ、ちょっと待った。霞はラケットを持って私の所に来るように」

「? はい、分かりました」


え、何故に私だけ呼び出し?そんな疑問を抱きつつ、だけど決して口には出さずに小走りで藤堂コーチの所に向かう。何がなんだかよく分からないけど、取り敢えず行かなきゃ。

藤堂コーチの近くまで行き、一体何の用か聞いてみた。勿論敬語で丁寧に聞いた。相手がコーチって事もあるけど、その前に目上の方だから敬語は使う。使わないとか選択は無い。私そこまで生意気じゃないからね。何事も礼儀は大切。
姿勢を正してコーチの言葉を待つ。…まさか叱られるとかそんな事ないよね?私悪いことしてない筈。少し不安。


「あぁ、実はな。霞には今から男子と合流し、暫くはあちらの方で練習して貰う事になった」

「…へ?」


まぁ本当に暫くの間だから頑張れよ。そう言って藤堂コーチは私の肩を叩き、去り際にそっと私に耳打ちをして施設の中に戻って行った。

その場に残された私はただ、呆然と立ち尽くすしかなかった。て言うかマジでか。もう訳が分からん。






2013/02/02(土) 
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