新しい風(改)

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その後、近道をしつつ死ぬ気で走った私と直幸は無事遅刻を回避した。因みに中学生達とはほんの数分差。それを見て私と直幸は2人で手を取り合って自分達の幸運に感謝した。

中学生達と私達高校生が合流した所でコーチによる話が始まった。そのコーチはさっきも言った笑顔が怖いコーチ。名前は藤堂弓虎さん、担当は戦略。尚、年は知らない。ただ私達は20代だと予想している。因みにこのコーチ、ある噂では男子を見ているコーチ陣からも恐れられてるとか。…流石コーチ、憧れます。
え、その噂を聞いた時の私達?そりゃ触らぬ神に祟り無し。皆でコーチに怒られないよう気を付けようって堅く誓い合ったさ。…後で中学生達にも教えてあげようかな。

そんな事を考えていたから、話半分にしか聞いてなかったけど、実はちゃんと内容は頭に入っている。要はこういう意味。


一軍10人が不在の間、二軍100人の合宿に中学生選抜を20人加える事になった。高校生は不服だろうが切磋琢磨してU−17日本代表の底上げを目指せ。と言うかしろ。


みたいな感じ。まぁ私からしたら、中学生に負けるなんてみっともない姿晒すなよお前ら。的な感じに聞こえた。生憎それが私の思い違いではないらしく、他の子達も顔を青くさせていた。…あぁ、これは今まで以上に頑張らないといけないわ。思わず私は遠い目をした。




 
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