Novel.B

□first love(仮)
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「みんな集まってくれたかい?
じゃあ、始めようか。」

上座の主、長い机を囲んだ十刃それぞれの前に、いれたての熱い紅茶の入ったカップが置かれ、なんとも和やかな雰囲気で始まった本日の十刃会議。


「チッ……こんな熱ィもん飲めるかよ」

紅茶をひとすすり、すぐにカップを置き頬杖をついて悪態をつく水浅葱。


「そうだね…
君の分は、少し冷ましておくべきだったかな」

言いながら、優雅に紅茶を飲む主。

その主の目がいつもと異なることに、グリムジョーは気が付いた。

優しいような、それでいて何かを楽しんでいるような。

そしてグリムジョーはまだ気づいていないようだが、その視線の先は、彼の向かいに座る、色白黒髪。


当人はというと、表情を微動もせず、しかしぼんやりと、紅茶の湯気ごしに首を傾げるセスタを見つめていた。

崩れることのない鉄仮面の下に燻っている感情が手にとるように分かる主は、それを楽しみたいが為に今日の会議を開いたのだ。


「藍染様………?」


そんなことの為に開かれた会議、まったく意味のない話題ばかりだが、主の異変に気づいたのはグリムジョーと、真面目に話を聞いているハリベルのみであった。





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