Novel.B
□癒えない傷
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「やぁ…っ,あぁっ」
「やっと……
君と一つになれた。」
しんしんと降り続く雪が,窓ごしに見える。
「あんっ……あ,いぜんっ…」
「可愛いよ……日番谷くん」
寒いはずなのに,俺の身体は熱くて熱くて,滝のように汗がふきだす。
「あっ,あっ,あっ……
あ,藍染っ……好,きっ」
「私も……愛しているよ」
それからしばらくして,アイツは市丸や東仙とともに姿を消した。
俺の身体に,深い悲しみと裏切りの傷を残して。
アイツと身体を重ね,互いを激しく求め合った最初で最後の夜
永遠に一緒だと誓い合い,幸福で涙が止まらなかったあの夜
あんな夜は,もう二度と………
身体の傷は癒えても,アイツが目の前から消えたという傷は,どんなにすぐれた薬をもってしても決して癒えることはない
雪は嫌いだ………
あの夜を,俺の傷の痛みを,悲しいくらいに思い出させるから。
藍染……
俺は今でも,お前のこと――
End
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