小 説

□愛してるよ 憂鬱編―キョン視点
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その日、何事もなく授業が終わり放課後になると、俺の足はいつも通り─というと悲しくなるが─文芸部室に向かっていた。

部室に着くと、そこには無口なヒューマノイドインターフェース長門有希の姿が窓辺にあり、安心する。

「よう、長門」

「……………。」

長門は本からこちらに顔を上げ、縦に揺らした。


いつもの定位置に腰を降ろすと、しばらくの沈黙。この沈黙は、全く息苦しくなくむしろこの一年間で、とても心地よいものになっていた。



カップラーメンがちょうどいい感じになるくらいの時間がたつと、今度はさわやか笑顔の超能力者古泉一樹がドアを開いた。

「おや、お二人だけでしたか。珍しいですね、涼宮さんがあなたより遅いなんて」

「あいつなら今、岡部に呼び出されてる。なんだか知らんが、アイツならどうせいちゃもんつけてすぐ帰ってくるだろ」

「だと、いいんですが」
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