□I LOVE YOU!
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「リンの好きな人?」
「そう。……いる?」


 ミク姉もメイ姉もカイ兄も、今収録中。だから家にいるのはあたしとレンの二人だけで、暇で暇で一緒にテレビを見ていたとき。
たまたま見ていたそれが恋愛もののドラマで、主人公の女の子が初恋を自覚したシーン。だからそんな話題になったのかな、なんて目をテレビから離してレンを見ると、思いの外真剣な顔をしていて驚いた。


「いるよ」


そう答えたら、なんだかレン変な顔ー、に、なった。あれ、リン変なこと言ったかな?どうしたんだろう?


「レンは?」
「…………………いるけど」

ふてくされたみたいな声。好きな人がいることってとっても幸せだと思うんだけど、レンは違うのかな?
あ。もしかして。

レンってば、照れちゃってるんだ!

そっかそっか、レンって照れ屋さんだったもんね。「好き」って、自分の気持ちなのにどうしてだか恥ずかしいもん。あたしも、ちょっと恥ずかしいしね。
仕方ないなぁ。


「ね、だあれ?」
「………教えない」
「えー!どうして?」
「どうしても!」
「うーん、じゃ、リンも言ったら良い?」
「は?」


だって知りたいんだもん。レンの好きな人。どんな人が好きなのかなーってね!


「リンの好きな人はねー、ミク姉、」


あれ?
なんかぴきって言わなかった?
それに…なんだろ。この寒々とした空気は。


「レン?」
「………………………………………………あいつの何がいいわけ」
「ええと、」


怒ってる?
でもそう言ったら絶対また怒るから、とりあえず質問に答えることにした。


「優しくて可愛いところ。ぎゅーっとしてくれるのが気持ち良くって好きだし嬉しいんだー。あと、おもしろいとこも」
「ふうん」


怖!え、ちょっとレンくん怖いんですけど!
それきり何も話そうとしないレンがさらに怖いので、リンちゃんは話を続けます。


「えぇと、それからメイ姉も好き」
「へえ………………って、は?」
「時々怖いけど、頼りになるし、かっこよくってきれいだもん」
「…………あー、」
「いちおーカイ兄も好きだよ?頼りないけど時々、本当に時々アイスくれるし」


あれ?なんかレンの機嫌直ったのかな。でもまだちょっと……?


「………そういう“好き”かよ……」
「え?」
「何でも。………じゃ、俺は?」
「えー?レンも“好き”で良かったの?」
「はあ!?なんだよそれ、」
「え、だって、」


…ちょっと、恥ずかしいかも。あたしは頬が赤くなったのを自覚した。少しだけ目を逸らして、


「レンは、“大好き”、でしょ?」


レンは、驚いたように目を丸くすると、物凄い勢いで真っ赤になった。
あ…可愛い。


「…なら、いっか」
「えへへー」


レンは、リンの大好きな人なのです。

































































20090603



ベタなのはいつものことです。展開が読めるのもいつものことです。ごめんなさいorz

ありがちおまけ→
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