無声

ついったーでもよろしく【@sounds_ss】


「」のない世界。
何もかもごちゃまぜ。
◆中心という外側の世界 


彼は、確かに笑っている。
誰かの中心となって、確かに笑っている。

けれどいつからだろうか、彼の笑顔を泣き顔に感じてしまうようになったのは。

2012/04/05(Thu) 10:28 

◆夢からきた僕等 


ズキズキと痛みを帯びたまま、それは僕を強く掴んで離そうとしない。

そこから滲み出す赤を僕は、ただ体を震わせながら見ていることしか出来ないのだろうか。

帰りたい、帰りたい。

2012/04/05(Thu) 10:27 

◆君の寝息の横で願うあたし 



寒いから嫌だ。

そう言って彼は、あたしが剥がそうとする毛布を引っ張る。
窓の外は季節外れの白が広がっていて、背の高い木は寒そうに頭を揺らしていた。

あぁ、早く春が来るといいのに。

2012/04/05(Thu) 10:26 

◆Happy birthday to me. 




外国製の高級なイスに座り、足を組んで、彼女は笑う。

今日の主役はあたしなのよ、と。

このプレゼントも、

皆からのおめでとうの言葉も、

貴方たちも、

大きなケーキの甘ったるい匂いでさえも、

すべてあたしのものなのだと言わんばかりに、

可憐に、美しく、笑う。



今日は1年に1度の

あたしとこの世を繋ぐ大切な日。

あたしという一つの愛が生まれた日。

Happy birthday to me.



彼女はまたひとつ、ニコリと笑った。





−−−

自分の誕生日記念として。

外国製の高級なイスとか、座ってみたい。

最早、願望の塊ww

2011/10/18(Tue) 00:28 

◆秋 




彼女を後ろから抱きしめる。そうすれば少しだけ肩を揺らして、けれども俺を見ようとはせず、目下の本にまた目線を戻した。つまんねぇの、そう文句を零せば、彼女はパタンと本を閉じて、それから溜息を一つ。

焼き芋が食べたいの、買って。

あまりに唐突にそう言うから思わず笑ってしまった俺に、彼女は顔を赤くした。

秋だなぁ。何、文句あるなら言ってよ。違う違う、可愛いなぁと思って。う、うるさい。

照れる彼女の頬もまた、秋色。

2011/09/28(Wed) 18:41 

◆秋 




大分涼しくなったなぁ、と呟けば、彼女は少し笑って、そうやね、と。涼しくなったと言えど、去年の今頃に比べれば、暖かいくらいだと思う。久しぶりに着た彼女のカーディガンには畳んであった跡がまだ残っていて、少しだけ新鮮な気持ちになった。

手、繋ごか?

言うのとほぼ同時に手を握る。冷たさと暖かさが一度に感じられた。暑いときは振りほどかれたこの手も、この時期になれば、今度は離れられなくなる。暖めているのか、暖められているのか、それは定かではないけれど、暖かい。そう思えるこの瞬間に幸せを覚えた。

2011/09/28(Wed) 18:41 

◆夏から秋へ 




窓を開けて、空気を入れ換える。涼しいなぁ、なんて去年の今頃は言っていただろうか。窓枠に肘をかけて、指が記憶している番号へと呼び出しをかければ、数回のコールの後に彼女の声が届いた。

なに、甘えたい時期?

夜遅くに電話したんが悪かったんか、嫌みをひとつ溢す彼女に、俺は(嘘やなくて)、うん、と頷く。すると彼女の小さな笑い声の奥に、赤面する彼女が浮かんだ。

暑いね。

そう言う彼女にさっきの仕返しがてら、涼しくなったなぁ、と嫌味を返す俺が笑顔なのは言うまでもない。

2011/09/28(Wed) 18:40 

◆今、 




真っ黒で、

真っ暗で、

前も後ろも見えなくて、

前も後ろもわからなくて、

上も下もなくて、

自も他もなくて、

それなのに心地よくて、

暖かくて、

ずっとここに居たいと思う。



月のない夜、

あたし、

ふとんの中。

2011/09/01(Thu) 18:37 

◆無題 




切なくないよ、
別に、切なくなんかないよ。

ただ、ちょっと寂しくて、ちょっと悲しくて、それで涙が零れてきちゃうんだけど、別に切ないわけじゃないんだよ。あたしはあたしで、貴方は貴方であるというこの世界を変えることは不可能だってわかってるから、貴方のことを全部知りたいなんて欲望が塵の如く粉々に砕かれたって、大丈夫、大丈夫。

何故って、あたしには貴方が居て、貴方にはあたしが居て、あたしの『今』はそれできちんと成り立っているから。それを証明してくれたのは紛れも無く、貴方でしょ?

2010/10/16(Sat) 22:36 

◆孤独 




『くだらない』と自ら鼻で笑ってしまうくらいに、あたしの声は虚しく空を泳いだ。それで得たのは返ってくる言葉なんて暖かいモノじゃなくて、ただ、孤独という自覚。味方や仲間なんか存在しない。ライバルや敵なんてものも、このあたしには存在しない。真っ暗な世界の中に真っ白なキャンパスがあるように、あたしも真っ暗な世界で佇んでいるようで。ただ、孤独。

2010/09/28(Tue) 18:10 

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