ギンイヅSS

□発熱
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朝起きると、風邪を引いてしまったらしく熱があった。
このところ遅くまで仕事をしていたことが祟ったらしい。
「四番隊から薬もろてきたる。イヅルは寝とき」
市丸はイヅルに布団を被せると「いい子、いい子」をするように頭を撫でる。
すみません、とイヅルは布団の中で市丸に頭を下げた。

「薬、飲み」
四番隊から戻ってきた市丸が、甲斐甲斐しく水差しを差し出す。
「はい」
ふらふらと起き上がったイヅルは、薬を飲むと、今日するはずだった仕事の事を思ってため息をついた。
それを察してか市丸が
「仕事なら心配せんでもボクがしとくさかい、イヅルはしっかり寝とかなあかんよ」
と立ち上がった。
本当は寝ている暇などないのだが、こうなった以上、治す事に専念するしかない。
「はい」
イヅルは市丸の背を布団の中で見送ると、目を閉じた。
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