ギンイヅSS
□誕生日
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三月二十七日
僕の誕生日
今までの何十年かは、とても楽しみにしていたはずのこの日。
だけど今日は全然楽しくなんてない。
「おめでとさん」
そう言って
去年の誕生日まで、毎年隊長が祝ってくれたはずの今日。
今年はとても憂鬱だ。
阿散井くんや松本さんには悪いけど、かけてくれたおめでとうの言葉も嬉しい気持ちにはならなかった。
日が暮れて仕事が終わる頃には、早く今日が終わってくれれば良いのにと思い始めていた。
今日この日に、隊長がいないことがとても辛い。
誕生日なんだから飲みましょうよ、という隊員達の声を曖昧にかわすと、僕は早々に床に入った。