ギンイヅSS

□透き
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床に伏した半裸の吉良に市丸が覆い被さっている。
頭を殴られたような衝撃に言葉も出ない。
「市丸隊長…もう…許してくださ…」
「あかんよ、イヅル」
切なげに喘ぐ吉良の体を市丸の手が執拗に愛撫する。
「あぁっ」
市丸が動く度にぐちゃぐちゃといやらしい音が室内に響き渡り、床には吉良のものだろう、はっきりとそれと分かる体液が飛び散った跡が幾つもあった。
「嘘だろ…」
俺は思わず頭を抱えてため息をつく。
昨日のあの首筋の痕。
あれもこの所為だったのだ。
「吉良が市丸と…」
想像以上の衝撃に立ち上がれそうもない。
その間も激しい行為が続く。
「あぁっ…隊長、隊長」
吉良の嬌声に、俺は堪らず耳を塞いだ。
「イヅル、可愛え」
瞼に焼きついた吉良と市丸の姿に激しく頭を振る。
吉良が市丸に心酔している事は知っていた。
院生時代、あんな助けられ方をしたのだ、無理もない。
あいつにとっては、憧れの隊長だったのだ。
だが、ここまでとは。
出直そう。
そう思い、なんとか立ち上がった。
振り返らず、気付かれないように霊圧を消し、立ち去る。
その時。
「阿散井クン」
目の前に人影が立ちはだかった。
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