ギンイヅSS

□視線
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市丸は自分を見る時のイヅルの目が好きだ。
じっとりと、何かを訴えるように見てくる。
そこには畏敬と憧憬が同居している。
その目を見ると、何とも言い難い衝動に駆られる。

いじめたい、というのが一番ぴったりくるだろう。

自分への敬服も畏れも好意も全て踏み躙ってやりたくなる。


「イヅル、退屈やねん。相手して」
黙々と仕事をこなすイヅルを背後から抱き締めると、有無を言わさず唇を奪う。
思いきり舌を絡めると苦しそうにイヅルが腕の中でもがいた。
「まだ勤務中です」
「そんなん気にせんでええ」

(ほら、またや)

恨めしそうにイヅルがじっとりと市丸を見つめる。
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