黒き心は闇を描く(くろきこころはやみをえがく)
□第二章
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早速くじ引きをやるのか…と思えば、アレイヴはくじ引き箱を教壇に置き、切なげな眼差しで、教室を見回した。
「…で、何で60人もいた筈の生徒が21人しかいないんだ…」
教室の中は人数が少なく、ガラガラであった。
ヴェーレが何の気兼ねもなく、真っ直ぐ手を上げ、教室全体に響くようなハッキリした声でこう言った。
「あぁ、ソイツらは全員俺が殺した。」
「クラスメートを殺すなよ…」
アレイヴは素っ気なく爆弾発言を言ったヴェーレから目線を変え、絶望的な顔でソードを見た。
「何で君はあんな事を言ったんだ…」
「だって楽しそうだし」
「楽しい訳ねーだろ!悲劇だろーが!」
教室は血の匂いで充満していた…
ソードはアレイヴのツッコミを無視すると、どこからかケーキの箱とフォークを取り出し、苺のショートケーキを食べ始めた。
授業中に堂々とショートケーキを食べるのはよくないと思う…
アレイヴはソードから目線を離し、再びくじ引き箱を持った。
「やり方は…さっき言った通りだ。席順に順番で取りに来い!」
ヴェーレは誰と班が同じになるのかを考えながら、順番を待った。