黒き心は闇を描く(くろきこころはやみをえがく)
□第三章
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ヴェーレは驚き、辺りを見回す。
跡形もなく無くなった自分のベッドに、恐怖で今にも死にそうな顔をしているラスティ。
その横には…ベッドのあった所に向けて、何故かパズーカ砲を構えているソードがいた。
パズーカ砲の銃口からは、白い煙が立ち上っていた…
それに、ベッドのあった所の崩れた床に、巨大な鉛の弾丸が…
ヴェーレは頭が悪いながらも、この状況を理解した。
ソードが自分に向かってパズーカ砲を撃ち、自分がそれをギリギリで避けた事により、ベッドが破壊された。
そして、それを目の当たりにしたラスティはショックを受け…
ヴェーレは顔を赤くして、未だにパズーカ砲を構えているソードに近寄った。
そして一喝。
「俺を殺そうとするなあああぁぁ!!!」
ヴェーレは息切れする程の大声で叫んだ。
すると、ソードが真顔でパズーカ砲をしまった。
あんな巨大な凶器、どこから出し入れしているのであろうか…
ヴェーレは一瞬、恐怖を感じたが、まだ言うべき事があったので、ソードに向き直った。
…ソードは相変わらず、真顔で無言のままだ。
罪悪感なんて1つも持ってないだろう。