短編

□君の笑顔にだけは適わない
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700hit AVIL様へ捧ぐ!



「いやあー今日はかなり走らされたな!まじで疲れたんですけど!」

「んだよ、こんぐらいでもうギブアップか?」

「てめーは運動部でもねェくせに何でそんなにしれっとしてられんだよ!何だそれ!世の中理不尽だ!不公平だー!」

「他にも帰宅部でしれっとしてる奴ならいんだろ」

「くそー!神様はこいつに顔の良さだけでなく運動神経まで与えたのか!何たる依怙贔屓!地上に降りて来いや!勝負だ勝負!俺が勝ったらせめてイケメンの顔を寄越せ!」

「無視か。それと人間は神様に間違っても勝てないと思うぞ」

「それ以前に降りて来ないよ。いるかもどうかもわかんないのに」

「それもそうだな」

「ノォォオオオ!!」

「うるせェなあ……お前もその内誰にも真似出来ないような才能が出てくるって」

「何だその根拠の無い励ましは!もう黙れ彼女持ちがッ!」

「……結局そこかよ」

「あれ?なんだかんだで彼女なの?」

「ああ、まあ、そういうことになった」

「良かったんじゃない?さっさとくっつけばいいのにって何度思ったことか」

「…そんなにわかりやすかったか?」

「そりゃあもう。お互いにね」

「お前等そんなに想い合ってるくせに彼氏彼女じゃないっていうそのもどかしさがもう…もう……ノォォオオオ!!」

「だからうるせェ!」

「でも全然恋人には見えないよね。兄弟っぽいっていうか。案外あのままかなあとか思ってたんだけど」

「………何か、あいつには一生勝てないんだろうなって思っちまってよ」

「何処が決め手?」

「……………それは、あいつの…」

ガチャン

「……あ、俺だ。悪ィ、お前の携帯落とし……た………」

「「……………」」

「ぶはははははははッ!!おまっそれプリキュ○じゃねェか!そんなもんストラップにして…!」

バキッ

「……あの女ァ………!!」

「……………!!(ヒイィ!)」

「いってらっしゃい。殺さない程度にね」

「おお」

バタン

「……………オォイ!いいのかよ!黙って行かせていいのかよ!マジで殺ってきそうな顔で出てっちゃったんですけど!俺達明日あの子に会えないよ!?」

「大丈夫だよ。なんだかんだで彼女には勝てないんだから」

「え、喧嘩強いの!?殴り合いとかやったりするタイプ?!」

「そういう意味じゃなくて。相変わらず君は頭がアレだね」

「えええ!?」

「彼女のアレには一生かなわないってこと。さっき言いかけたのはそのことだよ」

「……………は?」





「いたッ!!」

「あっ!やっぱ気づいた!?」

「当たり前だ!てめーしかいねェだろ!俺の携帯に……あ、あんな…!」

「プ○キュア?」

「それだよ!やっぱてめーだな!どうしてくれんだよ!すげえ恥ずかしかったじゃねェか!」

「だってそれが目的だったもん☆」

「………!!」

「いやあ予想以上に真っ赤だったね!そんな反応を楽しみにしてたけど、うんうん、そんな君が大好きだよ!」

「だっ…だから冗談でそういうこと…!」

「冗談で付き合ってるんじゃ無い!…それともアンタは違うの?」

「!……いや、そうじゃなくて…んな泣きそうな顔すんなよ……」

「……………ふはは!また騙されたな!阿呆め!」

「…ってめー!!」

「はははっ!!ほんっとアンタって面白いよね!」

「〜〜〜っ!」

「こんなに笑わせてくれんのはアンタだけだし!っくく…!」

「……はあ、ったく……」



君の笑顔にだけは適わない

(あいつが彼女に勝てない理由って、笑顔?)
(笑ったら超可愛いからね)
(何だよ!単なるノロケかよ!くそー俺等も彼女欲しいよな?!)
(君と一緒にしないでくれる?僕にも彼女いるからね)
(ノォォオオオ!!)


20090519
 

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