H×H
□春の嵐
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「あー、どうしたもんかね、こりゃ」
桜の木の下で、眠り合う二人を見て、レオリオは溜息を吐いた。
クラピカが仕事から戻って来たのは、先程、連絡を受けていたため、知っていた。だが、それ以降、連絡が途絶えていた。これは、クラピカには珍しいことだ。時間的には、もう、学校に着いている筈なのに。
レインなら、なにか知ってるかもしれないと、携帯を鳴らしてみたが、こちらも出ない。また、いつもの場所で昼寝かと考え、レオリオが赴いてみたところ、無邪気に夢を見る二人を発見してしまったのだ。
「ほっとく‥つってもなー、キルアも、レインのこと、捜してたし‥連絡くらいしておくか」
レオリオは、スーツの上着から携帯電話を取出し、キルアの番号を呼び出す。
「‥あー、もしもし、キルアか。いま、桜のとこ居るんだけどよ、レイン、いねーわ。‥ああ、‥そうそう、旧クラブハウスの‥おー、‥じゃ、もう少し捜してみるわ」
通話を終了し、花弁を降らせる桜に、背を向ける。
革靴の足音が遠ざかるのを、クラピカは、覚醒した意識のなかで聞いていた。
「‥‥借りが出来たか」
end