H×H

□春の嵐
2ページ/2ページ






「あー、どうしたもんかね、こりゃ」



 桜の木の下で、眠り合う二人を見て、レオリオは溜息を吐いた。



 クラピカが仕事から戻って来たのは、先程、連絡を受けていたため、知っていた。だが、それ以降、連絡が途絶えていた。これは、クラピカには珍しいことだ。時間的には、もう、学校に着いている筈なのに。



 レインなら、なにか知ってるかもしれないと、携帯を鳴らしてみたが、こちらも出ない。また、いつもの場所で昼寝かと考え、レオリオが赴いてみたところ、無邪気に夢を見る二人を発見してしまったのだ。



「ほっとく‥つってもなー、キルアも、レインのこと、捜してたし‥連絡くらいしておくか」



 レオリオは、スーツの上着から携帯電話を取出し、キルアの番号を呼び出す。



「‥あー、もしもし、キルアか。いま、桜のとこ居るんだけどよ、レイン、いねーわ。‥ああ、‥そうそう、旧クラブハウスの‥おー、‥じゃ、もう少し捜してみるわ」




 通話を終了し、花弁を降らせる桜に、背を向ける。


 革靴の足音が遠ざかるのを、クラピカは、覚醒した意識のなかで聞いていた。



「‥‥借りが出来たか」





end

前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ