H×H

□sweet smelling cat
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 いつものシャンプーと、お菓子とジュースとチョコロボくんを買ってきて、漸く私は一息つけた。


 シャツを着ないままで待っていたキルアは、新しいシャンプーを一緒にして、バスルームに放り込んでやった。



 風邪ひかれたら、たまんないし。




 そんなに興味を引かれないバラエティ番組を眺めながら、お菓子の袋を大きい順に並べてみる。



 全てのお菓子を並べ終えたとき、キルアがさくらんぼの匂いを漂わせて、リビングに入ってきた。




 頭から掛けたタオルを見て、私はにっこり笑って、キルアにおいでおいでをする。



 気分の良いときのネコみたいに、キルアは、ソファに座る私の足元の床に腰を下ろした。



 そんなに高くはないこのソファだと、キルアの頭は、私の胸辺りの高さになる。



 私はキルアの肩を後ろから抱き締めて、空気を鼻で吸い込んでみる。



 甘酸っぱいシャンプーの香りが、私の嗅覚を爽やかに刺激した。



「レインってさ、俺が髪洗ったあと、絶対こうするよね」


『ん、いや?』



「いやじゃないけど」と呟くキルアのタオルを手に取って、髪の毛を拭いてやる。


 キルアの髪の毛は柔らかくて、さくらんぼの匂いのする、花びらみたいだ。



『いいじゃない。折角買ってきたんだもん。


 このシャンプーの匂い、好き』



 手を止めて、もう一度、抱き締める。



「俺も」


『ん?』


「俺も好きだよ」



 頬を赤らめて言うキルアに、私の口角が自然に上がる。


 テレビは、いつのまにか、ドラマのオープニングを奏でていた。












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