H×H

□祈り
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だから祈るの
貴方のために
謳うように
眠るように

叶いますように





 雑踏に吸い込まれる歌を追うように、空を見上げた。



「クラピカ、交代よ」

「あ、ああ、センリツか」

「どうしたの、ぼーっとしちゃって?」

「いや、歌がな」

「歌?」

「さっきから、流れてる」

「ああ、あのビルの街頭スクリーンよ。会社が売り出したいミュージシャンとかをピックアップして流してたりするの」

「この歌は?」

「ニューリリースのシングルよ。タイトルは、確か“祈り”」

「いや、そうではなく、このシンガーは」

「ああ、##NAME2##ていう、駆け出しのアイドルよ。珍しいわね、アイドルに興味を持つの」

「いや、声が」

「声?」

「レインに似ている」

「あ、ああ、まあ、そうね。そう聞こえなくもないわね」

「‥‥‥なんだその顔は」

「いえいえ、もとから私はこんな顔よ?」

「‥‥‥まあ、いい。交代の時間だったな」

「ええ、ボスのワガママにバショウが泡を吹きかけてるわ」

「ならば急いで行ってやるか」

「そうね、早く終わらせて帰りたいわね」

「だがその為には、ボスがつまらん賭け事に飽きないことにはな」

「それか、ボスの全お小遣いを使いきる方が先かしら」

「‥‥‥そうなる前に宥めてくれ」





だから祈るの
貴方のために
謳うように
眠るように


叶いますように





end

 

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