六つ目の物語

□第30憑目
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今日はクリスマス


だがクリスマスといえど、仕事とこの程度の行事は関係ない
あるとすれば、商品がクリスマス仕様なくらいだ

と、クリスマスイブイブまでは思っていた

クリスマスイブ当日、店長がクリスマスだから今日はミニスカサンタね!と言って二日間サンタの格好になった

アニメ全く関係ねーし…

まあ、クリスマスだからアイトに来る奴もあんまいなかった
(ぼっちそうな男はいたな!)


客も少ないということで早めにバイトも終わり、早々に店を出た


商店街を通り、コックリがパーティーの準備してんのかなぁ。とか考えながらある店に寄る

注文は元々してあったのでレジで受け取りすぐに店を出る
次にケーキ屋でケーキを買い、両手に荷物を持って家に帰る


「たっだいまー!」

「名無しさん様!」

「うおっ!?」


玄関開けたと思ったら狗神アニマルバージョンが飛び付いてきた
狗神はパーティー用のトンガリ帽子を被り、クラッカーを持って腹を鳴らす


「食べずにずっと待っててくれたんか?ありがとな」

「違います!
我が君が帰って来ないのです!」


ついでに狐殿も帰っていませんと付け足す


「買い物に出掛け、狐殿もストーキングしに家を出ましたがどこで油売ってるのやら…」

「ふーん
ま、コックリいるなら平気だろ」


狗神を引っ付かせたまま和室に行く
どうやら電気も付けずにクラッカーで遊んでいたようで、一ヶ所だけ散らかっている

電気を付け、買ってきたケーキをちゃぶ台の上に置く

あ、信楽の手紙がある
…ふむふむ、またナンパだな


「先にケーキ食べちまおっか!」

「はい!」


いつ帰ってくるかわからないこひなとコックリを待っているより、腹を空かせている狗神と食べて待ってた方がいいだろう
あとでこひなとコックリに文句は言われそうだが


狗神に皿とフォークに包丁を持ってこさせ、俺はケーキの箱を開けてケーキを取り出す
何故かろうそくがついていたので挿しておく


「お持ちいたしました」


人間バージョンに戻った狗神が持ってきてくれた包丁でテキトーにカットする
大きさは不器用な俺が切ったんだからホントにテキトーだ




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