六つ目の物語

□第17憑目
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休日で、夜からバイトが入っているのでそれまでずっと寝ていた

だが、携帯に着信があり出るとバイト先の店長からだった
そういや、店長の事は話題に出すが、詳しくは教えていなかったな

店長は今年三十路のオバサンで、かなり腐っているヤツだ
いつも俺の制服を考え、特注で作らせているらしい
そして俺に着させ、ニヤニヤしている変態だ

その変態店長からの電話で、明日のシフトを代えてほしいとのこと
明日も休みだし何もすることないから了承しといた

コックリに知らせなきゃか…

温い布団から出たくないんだが仕方ない
俺は寝間着のまんまコックリを探し出した








………………




………………









………いねぇ




家中探しても見つかんねー
買い物でも行ってんのかと思ったけど、こひながいたから買い物ではないと思う

庭の方探してみっかな…
縁側にあったコックリの草履がなかったから庭にいるはず!

あの蔵に入ったら危ねーから急がんと!

俺は辺りを見回しながらちょい走り蔵に向かう


蔵には掃除姿のコックリがいて、やっぱここかと思った


「おー名無しさん。少しは掃除しようと思ってな」

「ここは危ねーから手は付けんなよ」

「…え?」


俺はコックリに近付きながら注意する

だが、それは遅かった



コックリの手にあった箱から光が出てきたのだ


「「うわあぁぁぁぁああ!」」


光が俺達を包み込む

辺りは光と煙とホコリに包まれ、自分の姿が見えなくなる


「ケッホケッホ」

「うっ」


やっと煙がなくなり俺が咳き込んでいると、コックリが何かに仰天した


「俺が女になってる!?」

「はあ!?」


コックリを見るとホントに女体化しているコックリがいた

背が小さくなり、肩幅も小さく、瞳の大きさ、顔の掘りの深さ、唇の厚さ、身体のライン。それにオッパイまで出来ている


「いやぁーっ!変化で戻れねーぜ
ナニコレ…」


コックリは慌てふためく


「だから危ねーっつったんに…」


コックリの開けた箱の中を覗くと、"開けるなといったのに(笑)"と書いてある紙しか入っていない
コックリはその紙を破き、狐火で焼き尽くす


「俺ん家の蔵は呪いグッズばっかだ。恐らくこの箱の呪いは性転換して今までの生活を全て変えてしまい困らせようと…」

「そんな解説いらん!
どうにかして解く方法はないのか!?」

「確かこれは…」


知ってはいるが、言っていいのだろうか
言ってしまっては、逆に意識してしまい余計に解けなくなってしまうのでは…


「知らんほうが身のためだ」

「そんなに恐ろしい方法なのか!?」


コックリがツッコンでくるが、いつもの声じゃないから違和感が凄い…


「まあ、そのうち直るんじゃね?」

「他人事だと思って…!」


他人事だし






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