六つ目の物語

□第16憑目
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バイト終わり、家に帰ったら誰もいなかった


……え?

俺入る場所間違えた?ここ、俺ん家だよな?

いつも帰ってくりゃ、こひながおかえりなさい。って言って、抱き着いて、名無しさん兄さん大好きってほっぺにキスしてきて、家政婦(コックリ)の作った夕飯食べてあーんなんかしちゃったりして、こひなと一緒に風呂入って背中洗いっこして、こひなと一緒に布団の中に潜り込んで…


「狗神と同じ変態か!!」


いつの間にか俺の後ろにコックリがいた


「狗神と一緒にすんな。家族愛だろう」

「限度ってもんがあるだろ!」


家の家政婦はうるせーな

コックリの肩に乗っていたこひなが俺に向かって飛び降りてきたからちゃんとキャッチする


「ただいま帰りました」

「おかえり。いつもと逆だな」


いつもは俺がただいまと言っている方だから何だか新鮮だ

コックリが夕飯を作りに行って、俺はこひなと狗神アニマルバージョンと自室に行く


「名無しさん兄さんの部屋は久し振りなのです」

「そういやそうだな。狗神は初めてだよな?」

「いえ
名無しさん様が御学業なさっている間に入らせて頂いております」

「勝手に入んなよ!」


たまに部屋に違和感感じてたのはこいつのせいか

散らかってる本やらCDやらを部屋の角に纏めておく


「片付けておかなくてはコックリさんが煩いですよ」

「いいのいいの」


部屋に入らせなければ問題ない。それにいかがわしいモンなんか持ってねーし、見られて困るモンもない


狗神がそれを聞き、ベッドの下やら机の引き出しやらを漁る


「ねーつってんのに」

「名無しさん兄さんは女性の体に興味ないのでせうか?」

「え、いやぁ…」


それを妹が聞くか?
答えられるわけねーだろ


「私は名無しさん様にもこひな様にも興味ありますよ。全てを知りとうございます」

「気持ち悪いからお前は黙っててくんない!?」


背中に悪寒が走ったわ!





俺の部屋に良い匂いが漂ってきて、コックリが俺の部屋に入ってきた


「飯出来たぞー
冷めないうちに来いよ」

「おお。今行く」


こひなが先に部屋を出ていき、狗神がその後ろを追って行った


「…少しは片付けをしろ」

「うっせーな。これでいいだろ
俺はちょっと散らかってるくらいが一番過ごしやすいの」

「部屋が散らかってると太るらしいぞ」

「そんなん迷信だね。俺は痩せてる」

「筋肉もないけどな」




コックリを伸(ノ)し、俺も飯を食べに和室に行く





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