六つ目の物語

□第15憑目
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最近こひながキョロキョロ部屋中を見回し、ぼーっとしていることが多い
こひなにも感じるようになってしまったのか、こひなの目線の先には幽霊やら妖怪が浮遊している

昔からそういうのは居たが、見えていなかったはず
多分こひなも霊感が強くなってしまったんだと思う

休日の午前中のバイトから帰ってくると(狗神付き)、こひなの手には一つ目といわれる下級妖怪がいた


「見えるのか……?」

「見えるのです」


こひなはそっちにはあんま関わらせたくなかったのに!

どうやら見えるようになってしまったのはコックリ達といたから霊感が強くなってしまったようだ


やっぱり追い出そうか…


「取り合えず目を合わせなきゃ、大丈夫だろ
それか殴れ」

「……
まぁ、名無しさんに賛成だな。
死にたくなければ極力目を合わせんな。近付くな」


コックリが目を瞑りながら説得するので、こひなは聞いていない
寄ってきた生まれたての、球体に羽根と耳尻尾がはえた妖怪についていく


「まあ、そこまで怖がらなくてもいいぞ。

俺がいる」

「カッコつける前にこひなを助けろ!」


こひなは縁側から侵入してきた三つ目の巨大蛇に、身体半分を食われていた

コックリがフライパンで一番上の目を潰し、こひなを助ける
しかしこひなの顔は大蛇の液体によって溶けかかっていた

狗神が鼻血を出しながらこひなの顔を調える
途中コックリがノリのスプレーで固めていく

出来上がったのは、昭和の漫画みたいなバッサバサのキラッキラの目をした別人だった


こひなは美人になって嬉しそうだったが、俺はこんなこひなは許さないので、もう一度大蛇にこひなの頭を突っ込む


溶かして固めてを繰り返すと元の顔に戻ったこひな

涙を流しながらコックリはこひなに説教をする


「兎に角危ないから、二度とああいうのに近付くな!」

「近付かなひ」

「本当にわかったのかよ」

「はひ」

「いてー…」


コックリに俺、こひな、狗神は叩かれた
狗神はフライパンでだが

その狗神の上にグラビアポーズで立つこひな


「心配だからこれ持っとけ。退魔の札だ。名無しさんの分もあるぞ」


こひなは狗神から飛び降り、コックリから退魔の札を一枚貰う
俺も貰っておいた


「悪霊に襲われたり、危ない時に使うんだぞ」

「「危ない時…?」」


どういう時だ?と思っていると、こひなの後ろから抱き着いてくる狗神


「く〜ん
我が君、もっと踏みつけてください」

「「それは…」」

「今の事ですね」

「今だ」


持っていた対魔の札を狗神の胸元と額にくっつける


なんと、狗神が燃え出した


「身内で試すな!もったいない!」

「いや、こひなのピンチだと…」


狗神は燃え尽き灰になってしまった






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